「NFT」とは?

NFTは、Non-Fungible Token(ノン・ファンジブル・トークン)」の略称であり、ブロックチェーン技術を利用して、デジタルデータの所有と唯一性を証明するための代替不可能なトークンを指す言葉です。2014年5月にアーティストのケビン・マッコイによって世界初のNFTQuantum(クォンタム」が発表されて以降、デジタルカードやオンラインゲーム、物理アイテムとの連携などに活用の場を少しずつ広げていき、2021年のNFTブームをきっかけに世界中の人々に認知されるようになりました。

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筆者は、2017年1月に国内の暗号資産取引所の口座開設をしてから、2017年は「ICO」、2018年は「ブロックチェーンゲーム」、2019年は「クリプトアート」、2020年は「DeFi」と、その時々の流行を自分なりに楽しんできました。振り返ってみると、その多くの事象にNFTが絡んでおり、改めてWeb3.0とNFTは切っても切り離せない関係にあるのだと感じます。

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NFTの特徴

非代替性

NFTは、デジタル上の固有な識別情報を持っています。例えば、あるデジタルアートをNFTと紐づけた場合、そのNFTアートと見た目が全く同一のNFTアートであっても、それらを交換することはできません。これは暗号資産とは異なる点です。この特性は、デジタルデータの非代替性を担保し、価値を高めるのに役立っています。

所有証明

NFTは、ブロックチェーン上に記録されているため、その所有者が常に明確化されています。これにより、デジタルアセットの所有者はそれが本物であることを確認でき、その事実を他者と共有することも可能です。例えば、あるクリエイターがNFTアートを販売すると、購入者はそのアートの正当な所有者として記録されます。

不変性

NFTの情報や取引履歴は、分散型台帳に永久的に記録されています。ブロックチェーンは誰からのいかなる変更も許さず、過去のトランザクション情報を保持し続けるため、仮にそのNFTを他の人に譲渡したり、売却したりしても、元のNFTの情報が変更されることはありません。

多様性

NFTは、アートや写真、ビデオ、音楽、ゲーム、コレクティブルアイテムなどの様々なデジタルコンテンツの価値や所有を証明することができます。また、「SBT」と呼ばれる「他者への譲渡を不可能にするトークン」を応用することで、教育や検定、スキル取得などの学術的な資格証明書としても機能させることができます。

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上記では一般的な特徴を並べていますが、筆者が思うNFTの最大の利点は、「世界とシームレスに繋がれること」です。居住地や言語、年齢、人種、性別、その他関係なく、ブロックチェーンの可能性を信じている仲間同士が日々関わり合いながら、新しい価値を生み出していく過程は、他では味わうことのできない、自分にとっての大きな財産だと感じています。

 

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NFTの活用事例

デジタルアート

アーティストは自身の作品データをNFTに紐づけることで、全世界のコレクターに手軽に販売することができます。2021年3月、アーティストのビープルの作品「Everydays: The First 5000 Days(エブリデイズ:ザ・ファースト5000デイズ)」の約75億円での落札をきっかけに世界的なNFTブームが到来しました。

バーチャルランド

メタバース上の土地をNFTに紐づけることで、それらを安全に取引することができます。プラットフォームによっては、購入したバーチャルランドを自分の好きなようにカスタマイズできたり、他人にレンタルしたりすることも可能であり、仮想空間でのイベント開催やビジネス展開などにも活用されています。

音楽やライブチケット

ミュージシャンは、NFTを使って独自の音楽作品やライブチケットなどを販売することができ、新しい購入特典などの提供が可能になりました。スヌープ・ドッグやリンキンパーク、小室哲哉やPerfumeなどの国内外の著名な音楽家たちもNFTを併用した音楽活動に取り組んでいます。

ゲームアイテム

ゲーム内のアイテムをNFT化することで、より自由にプレイヤー間での取引が可能になりました。ゲーム内報酬やNFTの販売益のみで生活できる海外プレイヤーも現れ、大きな話題となりました。著名なタイトルには「Axie Infinity(アクシーインフィニティー)」「STEPN(ステップン)」などがあります。

スポーツコレクタブル

実在するスポーツチームのカードやグッズもNFTとしてデジタル化され、コレクター間で取引が行われています。例えば、「NBA Top Shot(エヌビーエートップショット)」というプロジェクトは、人気バスケットボール選手のハイライトをNFTにすることで、世界規模の一大ファンコミュニティを構築しました。

🍚mera's note🍚

このように、発行者のアイデア次第で、様々な新しい活用方法を生み出すことができます。アーティスト活動を例に挙げますと、自分のNFTアートを誰かに販売した場合、作者は常にそ作品の所有者をブロックチェーン上で確認することができます。例えば、そのウォレットアドレスに、定期的に限定アートをエアドロップ(無料配布)することで、購入特典として機能させることができますし、コレクターとの継続的な関わりを持つためのきっかけ作りにもなります。

 

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代表的なNFTマーケットの例

OpenSea(オープンシー)

OpenSeaロゴ

OpenSea公式サイトより引用

2018年12月に設立された世界最大規模のマーケットプレイスです。分かりやすいUIで、誰でも手軽にNFTの売買を楽しむことができる上、NFTやWeb3を知るための学習コンテンツも豊富に揃っており、初心者でも安心して参加できる環境が整っています。

 

OpenSeaの詳細記事はこちら

世界で最も有名なNFTマーケット「OpenSea(オープンシー)」とは?

X2Y2(エックスツーワイツー)

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X2Y2公式サイトより引用

「コミュニティが所有する真の分散型 NFT マーケットの創造」という目標のもと、2022年2月にローンチされました。独自トークン「X2Y2」をOpenSea利用者に無料配布するなどして、その認知度を高めました。また、2022年9月には国内最大のマーケットプレイス「tofuNFT」との提携を発表しました。

 

X2Y2公式サイト(日本語):https://x2y2.io/ja

Blur(ブラー)

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Blur公式サイトより引用

2022年10月にサービスを開始した新興のマーケットプレイスです。トレーダー向けのUIが特長で、他の複数のマーケットプレイスの出品状況も一覧比較できる機能が備わっています。また、「X2Y2」と同じく、独自トークン「BLUR」を利用者に還元することで、更なるユーザーの獲得を図っています。

 

Blur公式サイト(英語):https://blur.io/

Magic Eden(マジックエデン)

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Magic Eden公式サイトより引用

2021年9月にローンチされたマーケットプレイスです。当初は、ソラナのブロックチェーンなどを中心にNFTの取引が活発に行われていましたが、現在では、イーサリアムやビットコインなどのブロックチェーン上のアイテムの取り扱いにも対応し、様々なユーザーに親しまれています。

 

Magic Eden公式サイト(日本語):https://magiceden.io/ja

🍚mera's note🍚

世界にはここには書ききれないほどの多種多様なNFTのマーケットプレイスがあります。海外には他に、Art Blocks(アートブロックス)、Nifty Gateway(ニフティーゲートウェイ)、SuperRare(スーパーレア)、Rarible(ラリブル)、Foundation(ファウンデーション)、LooksRare(ルックスレア)、Crypto.com NFT(クリプトドットコムエヌエフティ―)などがあり、国内では、tofuNFT(トウフエヌエフティー)、SBINFT Market(エスビーアイエヌエフティ―マーケット)、LINE NFT(ラインエヌエフティ―)、Coincheck NFT(コインチェックエヌエフティ―)、Rakuten NFT(ラクテンエヌエフティー)、Adam by GMO(アダムバイジーエムオー)、HEXA(ヘキサ)などが有名です。プラットフォームごとに取り扱われているNFTの種類や出品資格や方法、販売手数料、ガス代が発生するタイミングなどが異なるため、ご利用の前にはそれぞれの公式サイトのドキュメントやFAQなどをお読みいただくことをお勧めします。

 

NFTの購入方法

こちらでは、OpenSeaでNFTを購入する際の一般的な手順についてご紹介いたします。 


①ウォレットの作成

まずは、NFTを保管するためのウォレットを作成します。NFTが発行されているブロックチェーンや出品されているマーケットの種類によって使用可能なウォレットが異なるため、事前に購入したいNFTの詳細について調べておくことをお勧めします。今回は、イーサリアムメインネットのNFTをOpenSea上で購入することを想定しているため、「MetaMask(メタマスク)」というウォレットを使用します。

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chromeウェブストアより引用

MetaMaskの詳細記事はこちら

MetaMask Walletの作り方


②暗号資産の取得

次に、NFTを購入するための暗号資産を用意します。イーサリアムなどの代表的な通貨であれば、国内の暗号資産取引所で購入することができます。事前に取引所で口座を開設し、必要な分の暗号資産を手に入れ、ご自身のウォレットに送金しておきましょう。

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MetaMask公式サイトより引用

③マーケットプレイスへのアクセス

ウォレットと暗号資産が揃ったら、いよいよNFTのマーケットプレイスにアクセスします。購入の前には、使用するウォレットをマーケットプレイスに接続する必要があります。接続が完了すると、ご自身のプロフィールページが表示されるため、アカウント情報などを設定することができるようになります。

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以下、OpenSea公式サイトより引用

④購入するNFTの確定

購入したいNFTのコレクションページを検索し、個別の販売ページにアクセスします。購入するために必要な金額がウォレットに入っていることを確認してから、「今すぐ購入」をクリックします。(「現在の価格」に加えて、購入のためのガス代も必要になるため、ウォレットにはあらかじめ少し余裕を持った資金を入れておきましょう)

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⑤暗号資産の支払い

MetaMaskを接続した場合、ここでGoogle拡張機能のポップアップが起動します。購入の確認のための「署名」、ガス代を含めた合計金額の「確認」の順にクリックし、しばらくすると支払いが完了します。

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⑥NFTの受け取り

支払い完了と同時に、NFTの所有者が購入者のアカウント名になり、購入者のプロフィールページにNFTが反映されるようになります。以上のように、マーケットプレイスやウォレットが示す手順通りにクリックを進めていくことで、簡単にNFTを購入することができます。

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🍚mera's note🍚

誰でも簡単に発行できてしまう手軽さから、本物のNFT画像を盗用した偽物のコレクションが出回ることがよくあります。また、プロジェクトの公式SNSを乗っ取った上で、悪質な販売サイトに接続させ、ウォレット内の資産を抜き取るような手口も常習化しています。筆者も数年前に偽サイトの情報に騙されて、3ETHを送金してしまったことがあります。体調が優れなかったり、運良く利益が出て浮かれていたりする時などには判断力が鈍り、そういった事態を招いてしまうことがあるため、皆さんもNFTの取引時には注意深く冷静に行動されるよう、充分にお気を付けください。

まとめ

このようにNFTは、ブロックチェーンを用いることで、デジタルデータに新しい価値をもたらす革新的な技術といえます。2021年の世界的なNFTブーム以後は、投機的な側面ばかりが取り上げられがちですが、それらを活用した証明や認証の仕組みは、既存のビジネスやコミュニティ形成を次のレベルへと引き上げる実用性の高いものであり、最近大きな注目を集めています。

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NFT配布事例ページ:https://www.sushitopmarketing.com/business_type

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この記事の執筆者:メラ タケル